7月22日

「すくすく」の本を買いに病院に行く。自宅と会社に置いておきたかったので。(^^ゞ
今後の治療についてママと話し合う。左眼は今回の温熱科学療法(3セット)をやってみて、治る見込みが無いと判断出来れば摘出をしてもらおうと思っている。ただし右眼については摘出は絶対避けたいという思いです。やはり出来る限り自分の目を残してやりたい、ただ転移等の命に関わる不安もある。失明となっても幸せに生きていけることは分かっている、でも視力がかなり残っている右眼(遠くの物もきちんと判断するし、左眼が見えていないと思わせないくらい)を、ある日突然摘出されて、真っ暗闇で生きていかなくちゃならない瞬のことを考えると、出来る限り残すことを考えて、その結果、摘出しなければならない状況になってしまったら、その時は諦めようと。たぶん両眼摘出して幸せに暮らしている人から見れば、悪性腫瘍を残しておく事が、どれだけ危険な事かっと思うかも知れない。転移して命に関わることがあるのに...と思うかも知れない。その辺は理解しているつもりだが、どうしても両眼摘出を選択する事が出来ないでいます。

瞬、本人も自分の眼が病気にかかっている事が分かっているらしく、瞬の前で眼の話をすると不安そうにしている。ママと目の話をしていたら、突然、電話を取って、「めめ^^;」とか言っていました。目の話は瞬が寝てから話す事にした。やはり瞬を不安にさせることはいけないと思う。

7月18日

これからどうなるか分からない、両目とも治るのか、両目とも摘出しなくちゃならないのか、転移してしまい辛い闘病生活が待っているのか...考えてもきりがない。今、右眼は良く見えてる。今後の治療次第では両眼とも摘出を余儀なくされることもあるだろうから、右眼の見える内に、いろんな物を見せて、触らせて、万一、失明になってしまった時のために備えようと思っていた。悪い事ばかり考えていたら悪くなるぞっという人もいるけれど、治って欲しい、治るはずだっと思いつつも、最悪の場合のことは心の片隅においておかなければならないと思う。簡単に治る病気だったらどんなに楽なことか...。

んで、東京ディズニーランドに行く。ミッキーさんに会いに行く。入場するといきなりいた。(笑)興味を示しているようだが、近づくと泣く。恐いらしい。抱っこしてやってんのに泣きやがる。とっととトゥーンタウンに向かう。ミッキーさん宅は長蛇の列。糞暑い中、アホづらで並ぶのも酷だし、瞬が日射病にでもかかったら大変なのでミッキー宅は諦める事にした。適当に回ってミニーさん宅はそんなに待たないので(それでも待った)、中に入ってイッツ・ア・スモールワールドに向かう。瞬はボートに乗れるのが嬉しいらしい。黙って眺めていた。デジカメ、ビデオ、カメラの3つを駆使して撮りまくる予定だったが、デジカメがいまいち狙いのショットを撮りづらいので、こいつは中止した。

シンデレラ何たらに並んでいると瞬はお眠りモード。中は真っ暗で恐そうだったので寝ていて正解だったかも。

適当にウロウロしてレストランに入る。丁度、パレードの時間だったのでレストランの窓から見られた。瞬はあまり興味を示さない様子。

7月14日

非常に体力的にも精神的にも疲れた一週間だったので、今日は休みをもらった。相変わらず瞬は元気モリモリです。入院してから甘かったせいか、わがままになった気がします。何をしたいのか分からない時もあるし、そんな時は無視することにした。

一度目の治療が終わり気分的には少し楽になったけど、転移の事や命の心配は頭の中から離れない。これで100%治る!という方法があれば、間違いなく選べると思うんだけど、結局、どの方法を取ってもリスクを伴うし、100%治るという保証も無い。正直、ガンと宣告された時点で「命の保証はできない」と宣告されたのかなぁっと思ってしまった。治療開始の時、ママと転移してしまったら、頑張ってそっちも克服しようと話をした。ただ治せる場所に腫瘍が出来るなら、治療法方があるかも知れない。眼球は視神経で脳と繋がっているわけだから、脳に転移する可能性は高い。脳の手の付けられないところに転移があったらっと思うと、不安感と恐怖感でおかしくなりそうになる。瞬の体に大きなダメージを与える治療をすることは避けたい。どうにか転移しないで死滅化して欲しい。くそ!、特効薬を早く作れね〜のか。

7月13日

いつも通りスペーシアを使う。北千住で瞬が地下鉄に乗るのを嫌がる。仕方が無いのでタクシーで行こうと思ったが、時間とタクシー代がかかるので取り止め。一度、浅草に向かって都営浅草線で病院に向かうルートを選ぶ。「いやいや」言っていたが、途中で寝ちゃったので楽だった。もしかしたら日比谷線を使っても暫くすれば寝ちゃったかも知れないが、泣き叫んでいる時の回りの目は冷たいのだ。今度から診察も車で来ようと思った。

一度、病室に戻ると予想通り「いやいや」攻撃が開始される。戻ってきた事を伝え、カルテを貰って眼科に向かう。たぶん術後の確認だけだと思うので、いつもの診察よりは精神的に楽だった。でも治療の影響で目の状態が悪くなってないか心配だった。

次の診察は8月5日(水曜日)、手術は8月19日(水曜日)入院、21日(金曜日)手術という予定。また辛い思いをさせちゃうけど、良くなる為っと思って頑張ろうな。

目薬の事を先生に確認した。「右眼」に注すとのこと。看護婦に2回確認したが「左眼」と言われた事をチクっておいた。なんだかなぁ。不安になっちまったじゃんか。

7月12日

一時帰宅なので、なるべく早く迎えに行ってやりたい。7時30分に家を出て、9時前には病院に着いた。とっとと病室に行くと横になって泣いている瞬と、寝たふりをしている看護婦1名。どうやら夜中の3時くらいから泣いていたようだ。ホントに帰りたかったのね。今日は帰れるぞぉっと、あやして落ち着かせる。しきりに「パパぶぅ」を連発。手続をして目薬を注す目を確認する。ここで「左眼」に目薬を注すと言われる。薬の袋には「右眼」と書いてあるので2回確認したが、「左眼」と言われる。月曜日の検診で金子先生に確認する必要がありそうだ。

車をふっ飛ばして帰って11時に自宅に到着。「じいちゃん、おうち」を連発。「瞬ちゃん、おうち」には一歩も踏み入れず、セルボに乗り換え合戦場へ向かう。疲れていたので休みたかったのに、結局、瞬に振り回される事になる。

家に戻った瞬は病院の元気の無さは嘘のように走り回るし、元気もりもり。よっぽど病院が嫌だったんだろうな。とりあえず安心した。

7月11日

土曜日が平日と言うことをすっかり忘れてた。10時に病室に入ってしまい、瞬と会ってしまう。看護婦さんに今日は15時からというのを聞くまで、午前中から面会できるもんだと思っていた。おやつを食べさせて、逃げるように病室を出た。銀座で時間を潰して14時ごろ病院に戻ることにする。

病院に戻ると瞬は泣きまくっていた。買って来たおもちゃと本を見せたら機嫌が良くなったけど、アリストの載っている本を見せたのが間違い。それから「おうち、おうち」と泣きまくった。「じいちゃん、ばあちゃん、た〜ちゃん」と名前を呼んで、相当、帰りたそうにしている。可哀相にだったので明日、外泊許可を貰って連れて帰ることにした。一応、特に問題が無いので一時帰宅の許可が出た。

寝付くまで時間がかかるのでエレベーターホールで待つ。これは毎日の日課。(自爆)2時間くらいは覚悟しているものの、お尻は痛くなるわ、疲れるわで大変なので、11階まで一服しに何度も向かう。入院前後で煙草の吸う量も増えた。減らさないと...という気はあるものの、どうしても吸っちまうんだよなぁ。

19時すぎに眠ったので、暫く様子を見てから帰宅した。明日は車で迎えに来なくちゃ。

7月10日

8時に病室へ。既に麻酔前の薬を飲まされていたせいか、元気も無く、ベッドの上でゴロゴロしていた。30分後には全身麻酔をかけられてしまう。とにかく初めての全身麻酔、治療なので不安で仕方が無い。時間通りに手術室に向かう。手術室の入り口は、何と言うか驚いてしまった。さすがは国立病院というか、映画で見る研究所のような雰囲気。ハイテクロボットが仕事をこなしているかのようにテキパキと動いている。麻酔科の先生に瞬を預ける。しきりにママ、ママと叫びながら手術室の奥に連れて行かれる瞬を見て、「がんばれ!」っと心の中でエールを送った。

手術終了まで待合室で待つことになる。事前に3時間以上は掛かると言われていたので、本を読みながら手術の終わるのを待つ。幸い(?)喫煙室があったので助かった。(爆)

午後1時になるとき放送が入った。回復室に来てくださいとのことだ。テレビモニターには「手術中」と表示されているのを見た直後だったので、あれ?っという気持ちだったが、瞬に会えると思いママと早足で回復室に向かった。

ベッドの上で暴れる瞬を見て、元気だっと少し安心した。点滴、尿管は入っているが、ぎゃ〜ぎゃ〜暴れている。ママが抱っこして落ち着かせる。パパはひたすら酸素用のエアーホースを片手に新鮮エアーを瞬に送る。(笑)麻酔科の先生と話をしながら病室の看護婦が迎えに来てくれるのを待った。特に異常は無かったので安心した。とりあえず、何とか無事に終わってくれた。ただ金子先生からの説明が瞬の後に治療する遼ちゃんが終わってからと言うことで、詳しい話が後回しなのが気になる。見た目は目が腫れぼったいくらいだ。

眼球内の写真と詳しい腫瘍位置の絵を見せてもらい、治療の説明を受けた。両眼とも眼動注を行ない、同時に温熱療法。左眼にレーザー照射、右眼に硝子体注入を行ったとのこと。現在の目の状況は左眼は大きめの残存腫瘍が残っている。視神経は病院に来た時より腫瘍が小さくなって見えてきたという。右眼は小さな腫瘍が散らばっている。見た目は視神経を軸に回りに散っている感じだ。上から見た土星と言う感じ。今回の治療で散らばっている腫瘍と眼球内に漂っている「種」が死滅化してくれる事を祈っている。実際に詳しい図を見ると厳しい状況ということが素人目にも分かった。ただ簡単に取れないものだけに、摘出に踏み切れないでいる。迷っている内にも転移が進んでいる可能性もあるし、毎日、そのことだけは考えない日は無かった。

部屋に戻ると瞬は爆睡モード。ず〜〜っと寝てる。残っていても同じなので19時20分頃、病院を後にした。

7月9日

いつも通り仕事をして、15時に一度、病院に行く。何やらママが早く病室に入っちゃったので怒られたらしい。何やってんだか。(笑)明日は手術日なので今日はホテルに泊まる。着替えを持って、一度、会社に戻る。18時ごろ再度、病院に行く。ママが看護婦と話をしているが、泣いていた。何か良くないことでも話していたんじゃないかと不安が爆発しそうになる。転移の話等があったようだ。婦長さんに「良く考えて今後の治療に望んで欲しい」というようなことを言われたらしい。現に瞬の左眼の腫瘍は視神経に乗っているし、大きさも大きいので転移のことは考えていないわけが無い。命の危険もあるのは良く分かっている。ただ左眼を摘出しても、右眼が残せる保証も無いわけで決断できないという...。片眼性だったら決断できたか?と言われると、「即答できない」というのも本音だ。

どうやら初めての外泊は、親が思っているより瞬なりにこなしてくれたようだ。親の勝手な心配っということだろうか。予想以上に一人でも大丈夫だったみたい。少し安心した。どうも食事を満足に取らないので困っちまう。おかしばっかり食って、まったくもぉ〜って感じである。

Rちゃんのお母さんとエレベーターホールで話をした。Rちゃんは片眼性にしろ、考えていることはウチと然程変わらない。みんな同じような気持ちで生きているんだなぁっと痛感する。ただもし瞬が片眼性だったとしたら、迷わず摘出を考えたと思う。病理解剖で転移が認められなければ、摘出してしまえば網膜芽細胞種とはおさらばできるからだ。瞬の場合、両眼性なので簡単に摘出することもできない。片眼性だったら決断も楽だったのかも知れないと思った。

瞬を寝かせて、麻酔をかける時間と手術の時間を確認して病院を出る。銀座フェニックスというホテルに泊まるが値段が高かった。部屋も狭いし、パパは大失敗をしたようだ。(爆)病院から帰って、婦長さんに言われた話、今まで考えてきたことをママと話し合い、何が一番いい方法なのか、改めて話し合った。お互い涙が出てきてしまう。一番守るべき物は「命」というのは分かっている。ただ失明という状況だけは避けたい。両眼が無くても幸せに生活している人がいるのも分かっている。両眼、片目を残せば転移の可能性も考えながら生きていかなくてはならないし、もし脳に転移してしまった時は命の保証も無い。まぁガンと宣告された時点で命の保証はある程度覚悟しておかなければならない。(していた)

辛い決断だ。何をするにしても命の保証が無い。助かるかも知れないし、助からないかも知れない。どうすればいいんだろう。いろいろな人の意見を聞いて、ママと相談し、後悔の無い治療を瞬にしてあげようと思う。後日、婦長さんに直接話を聞くことにする。

正直なところ、ママが婦長さんに言われた「転移のことを考えているの?」の質問に対し、きちんと返答できる自信が無い。転移のことはきちんと考えた上で保存治療を選んだつもりだが、結果、命が危険にさらされる状態になったとき、後悔しないという自信は無い。本来ならば結果がどうなっても選択した道が正しかったと思えることが大切だと思う。十分、分かっているつもりだけど、親の判断で突然、両眼が見えなくなる瞬を考えると、両眼摘出だけは避けたいと思ってしまう。「現在、転移していない」という条件付きで選択するとしたら両眼摘出も考えられると思う。ただ左眼を取ったところで右眼にも腫瘍は残っているわけだし、右眼を保存できる可能性も100%では無い。現在、「良くなってきた」「良好」「順調」ということを言われても、実際には「病院に来た時より」ということが前に付く状態だと思う。でも良くなっているんだから、とっても嬉しいし、治る可能性も高くなってきたのかと期待している。もしかしたら早急に答えを出さなくてはならない状態になるかも知れない。そのことを考えると今、視力がある内にいろんな物を見せてあげたい。「もしかしたら」ばっかりだけど、全てにおいて「もしかしたら」が付いてきてしまう。

7月8日

いよいよ入院。初めて独りで外泊することになる。大丈夫かどうか不安だった。病棟は6A。病室ができるまでプレイルームで遊ぶ。「壊したい放題」が気に入ったらしく遊んでいた。Rちゃんも同じ日に入院だったらしく、知っている子供が同じ日に入院するということで多少、不安が減ったような気もする。病室はナースステーションのすぐそば。どうも年齢の低い子供が集まっているみたい。ベッドの上で遊んでいると、目薬を注され、当然の如く泣く。眼科の検診があるので2回目薬を注して、呼び出しがあるのを待つ。眼科の検診はいつも通り眼底検査のみ。特に問題も無かった。ただ手術の同意書にサインをしなければならない。考えられる症状というところに「眼底出血、失明」と書いてある。この治療をすることに「他に方法が無いに等しい」と書いてあるのを見て、サインを一瞬躊躇ってしまった。ママを見て、同意書を見て、またママを見てっという感じだ。ホントにサインしていいのかと迷いが生じた。やらなければならないのは分かっているが、いざ失明とか見ちゃうとねぇ。震えながらサインをする。

麻酔科の先生が部屋に来る。現在の体調の確認と、必要な質問を受ける。麻酔の後の吐き気等が気になるが、まぁやってみなけりゃ分からない。口の中を見てもらうが嫌がって泣き出す。夕飯は凄い食べっぷりだったらしい。親の気持ちとは裏腹に、一人でも何とかやってくれるか?っと思ったりした。

瞬を寝かしつけたのが9時40分ごろ。おいて帰らなければならないという初めてのことに悲しい気持ちで病院を後にする。やっぱりそばにいないと寂しくて仕方が無い。バックミラーに映るチャイルドシートに座って無いことが凄く寂しかった。